仔犬との同居生活
マルチーズの男の子を飼っています。真っ白で柔らかい毛と真っ黒なクリクリお目々が可愛いです。ちょっぴりヤンチャだけど人なつっこくて優しい性格です。
初めての出会いは突然でした。
母の知り合いの方のお家でマルチーズの仔犬が生まれて貰い手を探して困っていたそうです。
母は家族にも相談なしに心ばかりのお金と引き換えに真っ白くて小さな仔犬を連れて来ました。
血統書もついていたのできっと本当に破格の値段で譲っていただいたのだと今ならわかります。
それでも当時は、それまで一度も動物など飼ったことがなかったので家族中反対しましたが元の飼い主さんに返す訳にもいかず全面的に母が面倒をみるということでしぶしぶ新しい家族を迎え入れました。
しかし、家族みんなが右も左もわからず、取り急ぎ書店へ行き「マルチーズの飼い方」なる本を買い、帰る道道それを読みつつ必要な物をホームセンターで買い揃えなんとか仔犬との同居生活が始まりました。
始めは反対していた私達でしたが仔犬にそんなことはわかるはずもなく純粋な目で無邪気に甘えてくるその子が本当の家族になったのはアッという間でした。
人の気持ちのわかる子で私が落ちこんで沈んでいる時は側に寄り添い、泣いている時には優しく手を舐めて慰めてくれます。
怒っている時には決して近寄りません。
すごなぁと感心します。
今では毎晩一緒に寝ています。
今、もう15歳。
すっかりおじいちゃんになりました。
毛のツヤもなくなり関節炎で歩くことも大変になりました。
お散歩が大好きでよく近所の公園で駆けっこしたよね。
病も患いお別れももうすぐです。
余命三ヶ月と言われてからもう半年頑張ってます。
毎日薬を飲み、月に何度か病院に行きますが手遅れで治療法はないそうです。
それでも寝たきりにならず、私が外出から戻ると後ろ足を引きずりながらもお出迎えしてくれます。
クリクリお目々は仔犬の頃から変らずで本当に可愛いです。
最後の最後までずっと一緒にいるからね。
苦しまずに最期を迎えられますようにと毎日祈るばかりです。
長いようで15年、アッという間でした。
今まで一緒にいてくれてどんなに楽しく、その存在に慰められ励まされたことでしょう。
ありがとう、ありがとう、感謝しかありません。
あと少し一緒にいてね。